ただのざっき
珍しく文章が浮かんだので、がりがり。
構想時間:1時間(帰宅時に降ってきた)
推敲時間:この記事が書き終わるまで
一応ストーリーのどこかに触れそうな感じです。
まぁ、本編執筆停滞中なので、ちょっとくらい問題無いかなぁと・・・。
黒という名の旅人
構想時間:1時間(帰宅時に降ってきた)
推敲時間:この記事が書き終わるまで
一応ストーリーのどこかに触れそうな感じです。
まぁ、本編執筆停滞中なので、ちょっとくらい問題無いかなぁと・・・。
黒という名の旅人
この世界のどこかに、黒という名の旅人がいました。
黒という名の旅人は、いつも、爪先から頭の天辺まで真っ黒な服を着ていました。
「こんなに暑いのに、どうしてフードを被っているんだい」
どこかの村の誰かがこう尋ねると、黒という名の旅人は決まってこう答えました。
「戦禍を被った醜い傷痕を、誰にも見られたくないのです」
そして、フードの端から白銀髪の一房を取り出し、
「想像を絶する夜でした。一夜にして、この色に」
と言うのでした。
「それじゃあ、黒じゃなくて白の方が似つかわしいんじゃないか?」
と言われれば、
「確かにそうかもしれません」
と、神妙に頷くのでした。
黒という名の旅人は、いつも、真っ黒な剣をもっていました。
黒という名の旅人は、ある時には身の丈程の無骨な剣を背に担ぎ、またある時には煌びやかで繊細な装飾の施された剣を腰に携えていました。
しかし、黒という名の旅人は、一箇所に留まらなかったので、いつ、どんな剣をもっていても、町村の人々にが気にとめることはありませんでした。
黒という名の旅人は、1人旅をしていませんでした。
しかし、2人旅でもありませんでした。
大勢の仲間もありませんでした。
黒という名の旅人の後、つかず離れずの場所には、いつも美しい旅人がいました。
美しい旅人は、あまり旅慣れした風ではありませんでしたが、いつも穏やかな微笑を絶やしませんでした。
荒地や砂地を歩いてきても、美しい旅人は、やはりいつも美しいのでした。
日に焼け、赤く火照った頬も、朝になればミルクのような滑らかな白に戻り、
肩上で整然と切りそろえられた髪は、日光に溶け込むように、光り輝くのでした。
黒という名の旅人と美しい旅人が会話をしているのを見たものは、あまりいませんでした。
誰かがこう言いました。
「君達は、1人旅というには近すぎて、2人旅というには遠すぎる」
またある者が言いました。
「間を取って、1.5人旅というところかね」
黒という名の旅人は、静かに頭を垂れました。
美しい旅人は、穏やかに微笑みました。
黒という名の旅人は、いつも、爪先から頭の天辺まで真っ黒な服を着ていました。
「こんなに暑いのに、どうしてフードを被っているんだい」
どこかの村の誰かがこう尋ねると、黒という名の旅人は決まってこう答えました。
「戦禍を被った醜い傷痕を、誰にも見られたくないのです」
そして、フードの端から白銀髪の一房を取り出し、
「想像を絶する夜でした。一夜にして、この色に」
と言うのでした。
「それじゃあ、黒じゃなくて白の方が似つかわしいんじゃないか?」
と言われれば、
「確かにそうかもしれません」
と、神妙に頷くのでした。
黒という名の旅人は、いつも、真っ黒な剣をもっていました。
黒という名の旅人は、ある時には身の丈程の無骨な剣を背に担ぎ、またある時には煌びやかで繊細な装飾の施された剣を腰に携えていました。
しかし、黒という名の旅人は、一箇所に留まらなかったので、いつ、どんな剣をもっていても、町村の人々にが気にとめることはありませんでした。
黒という名の旅人は、1人旅をしていませんでした。
しかし、2人旅でもありませんでした。
大勢の仲間もありませんでした。
黒という名の旅人の後、つかず離れずの場所には、いつも美しい旅人がいました。
美しい旅人は、あまり旅慣れした風ではありませんでしたが、いつも穏やかな微笑を絶やしませんでした。
荒地や砂地を歩いてきても、美しい旅人は、やはりいつも美しいのでした。
日に焼け、赤く火照った頬も、朝になればミルクのような滑らかな白に戻り、
肩上で整然と切りそろえられた髪は、日光に溶け込むように、光り輝くのでした。
黒という名の旅人と美しい旅人が会話をしているのを見たものは、あまりいませんでした。
誰かがこう言いました。
「君達は、1人旅というには近すぎて、2人旅というには遠すぎる」
またある者が言いました。
「間を取って、1.5人旅というところかね」
黒という名の旅人は、静かに頭を垂れました。
美しい旅人は、穏やかに微笑みました。
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